生きていくために欠かすことのできない「呼吸」や「嚥下(のみこみ)」を正常に整えておくことが、お子様の健康な歯並びに繋がり、お口から全身の健康な発育や豊かな心の醸成を促していくことになります。
「鼻呼吸(呼吸)」「嚥下(捕食〜咀嚼〜飲み込み)」「虫歯予防」の3本柱を中心に、人生100年時代を生きにく力を育む必要があります。
この図は「スキャモンの発育曲線」といいます。ヒトは生まれてから20歳になるまで身長や臓器が成長発達していきますが、その様子をグラフにしたものです。
たとえば、神経系(青線)は脳や脊髄、視覚器などの神経系や感覚器系の成長を示したものです。神経系は生まれてから一気に発達し、10歳ころまでには20歳の100%の状態にまで達します。歯科の範囲で言うと、上顎の発達がココに分類されます。
次に一般型(赤線)は身長や体重、筋肉、骨格などの成長を示したものです。これは2段階でピークをむかえ、1回目は生まれてすぐの時期、2回目は12歳頃の思春期呼ばれる時期です。下顎の成長がココに分類されます。
上顎の成長が遅れている場合には、10歳ころまでに然るべき対応が必要です。どうでしょうか、子供の成長発達は早期から著しく、さらにピークを迎え完成するまでが10代前半でくるというのは、思ってたより早くないでしょうか?ここが早期介入が必要な理由です。
さらにもう1つ、「臨界期」という概念も大切です。臨界期とは成長において刺激や経験を得た時にその効果が最大に現れる時期のことです。
例えば、視力の臨界期は0〜2歳と言われており、この時期に視力を使用し鍛え能力を高めておかないとその後の発達は見込めず、退化(視力低下など)も平均より早くなってしまう可能性があるといういことです。(動物実験では生まれてすぐに目を覆われ視力を使用することないと、その後目隠しを外しても視力は備わらず失明したという結果がでています)本来体に備わっている多くの機能の臨界期は生まれた直後から10歳くらいまでです。この時期に多くの刺激を与え、潜在能力を十二分に高め、一生涯健やかに過ごせる力を培わせることが私たちの使命でもあります。
「発達のピラミット」をご存知でしょうか?
呼吸をベースに「感覚」「動き(姿勢)」「言語」「学習・コミュニケーション」が積み重なっております。成長発達のベースは「呼吸」です。人は呼吸をしないと生きていけません。つまり、呼吸はいきることそのものです。その呼吸が正常にできていないと、生きることそのものに影響します。
呼吸が悪いとは主に「口呼吸」のことを指しますが、口呼吸は歯並びや顔つき、虫歯や歯周病、低身長、肥満、体調不良、最近では発達障害との関連もわかってきています。呼吸が変われば子供の未来が変わります。当院では、呼吸改善も行なっており、鼻炎症状などがある場合には小児科や耳鼻科と連携し対応しています。
他にも、「哺乳」「離乳・卒乳」「手づかみ食べ」「咀嚼(かむ)」「飲む」「飲み込む」「姿勢」などを通して、お口から子供の健やかな成長をサポートしています。当院には、日本小児口腔発達学会認定の口腔機能支援士や口育協会認定の口育士が在籍しております。また、子育て世代や子育てが終わったスタッフも多く在籍しており、様々な知識・経験を共有しながら、医院全体で子供の未来をサポートできるよう日々取り組んでいます。